
徳島県と糖尿病対策
~糖尿病対策センターについて~
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糖尿病対策センター
糖尿病対策センター長 船木真理
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徳島県は、各都道府県間の糖尿病による死亡率の比較で、全国一位の状態が過去14年続いております。この原因究明と解決策を発見することを徳島県より受託され、本センターは平成19年10月に徳島大学医学部・歯学部附属病院内に設置されました。
本センターの最大の事業は、徳島県民の皆様を対象とした疫学調査です。糖尿病をお持ちの方々が不幸にしてお亡くなりになる最大の原因は、心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化性疾患が、糖尿病のために進行することです。また糖尿病をお持ちの方には、肥満、高血圧、脂質異常なども併せ持つメタボリック症候群を起こしている場合が頻繁に見られます。メタボリック症候群は動脈硬化を急速に進行させることが知られております。ある生活習慣のために脂肪組織が増加し、その増加した脂肪組織から血液中に分泌される因子が糖尿病をはじめとするメタボリック症候群を引き起こしているのではないか、と私たちは考えています。この仮説の証明のため、調査にご協力、ご登録いただいた皆様に年一回、生活習慣に関する聞き取り調査と血液検査をさせていただきます。プライバシー配慮のために匿名化されたデータを基に、生活習慣、血中の因子、メタボリック症候群に含まれる各疾患(肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常)の間の因果関係を明らかにして行く所存です。
疫学調査で明らかになった因果関係をさらに実験系で検証し、結論を出したいと考えております。